難しい読みの漢字や難解な言葉が使われておらずとも、ひらがなに「ひらいた」表現をおすすめする場合があります。

  1. 漢字が続くとき
  2. 画面が黒々としているとき
  3. やわらかい印象を与えたいとき
  4. 漢字続きで読みにくいとき
  5. 読み方によって意味が変わるとき・まぎらわしいとき

校正・校閲・添削の経験から実例を挙げてみますね。

漢字が続くときは「ひらく」

※ ひらがなで表記することを「ひらく」といいます。

漢字が続く例【1】

大変身に着けるのがお好きなご婦人でした。

テープ起こしをしていたとき、実際に出てきた発言です。

「大変身 (だいへんしん)」と読めてしまいますね。

何とかしてあげないと!

読点を入れて「大変、身に着けるのが」とする方法もありますが、しっくり来ない・・・。

こんなふうに表記すれば解決します。

修正例

たいへん身に着けるのがお好きなご婦人でした。


「ひらく」以外の方法

【方法1】言葉を置き換えてみる

言葉を置き換えた例

  • 非常に身に着けるのがお好きなご婦人でした。
  • とても身に着けるのがお好きなご婦人でした。

語順が気になるのよ。

【方法2】語順を入れ替えてみる

語順を入れ替えた例

身に着けるのが大変お好きなご婦人でした。

  • 身に着けるのが非常にお好きなご婦人でした。
  • 身に着けるのがとてもお好きなご婦人でした。
  • 身に着けるのが非常にお好きなご婦人でした。
  • 身に着けるのがとてもお好きなご婦人でした。

「とても」「非常に」は「好き」に係る言葉なので、直前に置きます。

語順については、また別の機会に掘り下げます。

漢字が続く例【2】

随分勝手な

これは単純に「ひらいて」あげるとよい例です。

修正例

ずいぶん勝手な

漢字が続く例【3】

  • 変更出来る
  • 演奏出来る

「出来る」を漢字で表記する人の多いこと。できれば「ひらいて」ほしい漢字のひとつです。

特に熟語に続く場合、読みにくさの原因にもなりますので。

修正例

  • 変更できる
  • 演奏できる

漢字が続く例【4】

  • 隙間時間
  • すき間時間

これは単純に「ひらいて」あげるとよい例です。

修正例

ずいぶん勝手な

とても読みづらいので、「ひらいて」あげましょう。

修正例

すきま時間

カタカナで表記すると、さらに伝わりやすいかと思います。

修正例

スキマ時間

画面が黒々としているときも「ひらく」

画面が黒々としている例

子供が1週間ちょっと手術入院をしました。
まだ1歳ちょっとで特に医療保険等も入っていませんが、どの程度お金を準備しておけばいいのでしょうか?

結論から言うと健康保険の限度額適用認定証と各自治体の医療費助成制度を利用することで保険適用医療費は大幅に負担が軽減されました。

文字数割合
ひらがな11641.9 %
漢字13849.8 %
英字72.5 %
記号82.9 %
句読点145.1 %
合計 277

後半が黒々としてるね。

リライト例を読んでみてください。難しい言葉を避け、漢字の数を減らすよう努めました。

リライト例文

子供が手術のため入院しました。期間は8日間。〇月〇日の午前中に入院し、〇月〇日のお昼ごろ退院。7泊8日の入院でした。

まだ1歳ちょっとなので、医療保険には入っていません。

どれくらいお金がかかるものなのか全くわからず、当時は本当に不安でした。ネットで探しても、参考になりそうな情報には出合えませんでしたしね。

結論から言うと、実際に財布から出たお金は約〇〇〇円。これだけで済んだのは、公的機関のありがたい制度を利用させてもらったからです。

この記事では、何にどれだけ費用がかかったのか、明細の画像つきで詳細を公開しています。ぜひ参考にしてくださいね。

文字数割合
ひらがな11641.9 %
漢字13849.8 %
英字72.5 %
記号82.9 %
句読点145.1 %
合計 277

この記事にはほかにも改善すべき点が多く見られたため、結果、導入文が長くなってしまいました。現在では、導入文は極限までシンプルに、を提唱しています。

今だったら▼こんなふうにリライトするかな。

リライト例文【2024年版】

この記事では、子供(1歳)の手術入院にかかった費用の内訳を詳しくご紹介いたします。

国や自治体の助成を受けた医療費と、実際に財布から出たお金。リアルな数字をお伝えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。

(99文字 / うち漢字37文字=約37.4%)

文字数割合
ひらがな11641.9 %
漢字13849.8 %
英字72.5 %
記号82.9 %
句読点145.1 %
合計 277

100文字もあれば十分だと考えています。

メタディスクリプション (抜粋) にそのまま入れられる内容にまとめるのがおすすめです。

メタディスクリプション (抜粋) は▼ここに表示されるよ!

「そういうことなら読まねば」と思わせるに足る内容であれば、長文でなくてかまいません。

長々しい導入文はマイナスになることさえあります。

すべてのブログ記事に当てはまるわけではありません。最適解はそれぞれ異なります。

以下の黒々とした例文とリライト後の例文を比べてみます。

Before:画面が黒々としている例

子供が1週間ちょっと手術入院をしました。
まだ1歳ちょっとで特に医療保険等も入っていませんが、どの程度お金を準備しておけばいいのでしょうか?

結論から言うと健康保険の限度額適用認定証と各自治体の医療費助成制度を利用することで保険適用医療費は大幅に負担が軽減されました。

After:リライト例文

子供が手術のため入院しました。期間は8日間。〇月〇日の午前中に入院し、〇月〇日のお昼ごろ退院。7泊8日の入院でした。

まだ1歳ちょっとなので、医療保険には入っていません。

どれくらいお金がかかるものなのか全くわからず、当時は本当に不安でした。ネットで探しても、参考になりそうな情報には出合えませんでしたしね。

結論から言うと、実際に財布から出たお金は約〇〇〇円。これだけで済んだのは、公的機関のありがたい制度を利用させてもらったからです。

この記事では、何にどれだけ費用がかかったのか、明細の画像つきで詳細を公開しています。ぜひ参考にしてくださいね。

BeforeAfter
ひらがな64
( 48.5 % )
156
( 57.6 % )
カタカナなし3
( 0.01 % )
漢字62
( 47 % )
82
( 30.3 % )
数字2
( 1.5 % )
11
( 4.1 % )
句読点3
( 2.3 % )
19
( 7 % )
記号1
( 0.8 % )
0
( 0 % )
合計 132合計 271

ねらったような数字 (漢字3割) だね。

ねらったわけじゃないけど、いい割合に収まったねぇ。

(内容はもちろん大事ですが、まずは) パッと見の雰囲気で「読みやすさ」をアピールできるよう心がけてみてくださいね。

やわらかい印象を与えたいときは「ひらく」

嘆かわしいことです。

なげかわしいことです。

「なげかわしい」はひらがながよさそう。

例をもう1つ。

喧嘩はやめなされ。

けんかはやめなはれや。

・・・読みにくいね。

ケンカはやめなされ。

これだね。私なら「ケンカ」と表記する。

「喧嘩」と表記されている場合。例えば漢字が読めなくても、文脈から意味を推測できるかもしれません。

喧嘩はやめようね。

「けんか」と表記した場合、ひらがなばかりで読みにくいですね。

できればけんかはしたくないね。

喧嘩けんか」とルビ (よみがな) つきで表記してもよさそうです。

喧嘩けんか しちゃったの・・・。

ですが、私なら「ケンカ」と表記します。

売られたケンカは買いましょう。

なぜなら、カタカナだと識別が容易なだけでなく、つんけんした様子がうまく伝わるから。

漢字・ひらがな・カタカナのうちどれを使うかを決めるとき、私はそれぞれの持つイメージや雰囲気も重視します。

いかにもいがみ合ってる感じがするよね。

けわしい顔もうやめていいよ。

とはいえ、私の主張に洗脳されることのないよう。

数をこなしつつ、ご自身の感覚を磨いていってくださいね。

最も大切なのは、

  • あなたのブログの読み手がどう感じるか
  • あなたのブログの読み手にどう伝わるか

です。

読み方によって意味が変わるとき・まぎらわしいときは「ひらく」

読み方によって意味が変わる例【1】

  • ケンカを止 (と) める
  • ケンカを止 (や) める

読み方によって意味が変わる例【2】

  • 辛 (つら) い
  • 辛 (から) い

その他、「ひらく」のがおすすめの例

思い出したら追加していきますね。

のある言葉をクリックすると、該当する使い分け例までジャンプできます。

のある言葉をタップすると、該当する使い分け例までジャンプできます。

漢字表記推奨表記
あ行有り難い
有り難う
ありがたい
ありがとう
頂く
(補助的用法)
いただく
所謂いわゆる
か行下さい
(補助的用法)
ください
こと
さ行やり過ぎるやりすぎる
是非
(副詞)
ぜひ
た行沢山たくさん
ため
容易いたやすい
出来る
出来ない
出来れば
できる
できない
できれば
通りとおり
な行無いない
難いにくい
は行欲しい
(補助的用法)
ほしい
先程先ほど
ま行もの
目途
目処
めど / メド
や行所以ゆえん

印のついている言葉の使い分け例

頂く

ひらがな推奨 (補助的用法)

  • 見ていただく
  • お読みいただく
  • やめていただきたい

 
漢字表記

  • お土産を頂く
  • 夕飯を頂く
  • 頂きもの
  • 雪を頂く富士山
下さい

ひらがな推奨 (補助的用法)

  • ご覧ください
  • 読んでみてください
  • やめてください

 
「サインを下さい」「お土産を下さった」のような場合は漢字表記

是非

ひらがな推奨 (副詞的用法)

  • ぜひご覧ください
  • ぜひともお越しください
  • ぜひお読みください

 
漢字表記 (名詞的用法)

  • 是非を問う
  • 是非を論じる
通り

ひらがな推奨

  • そのとおり
  • あなたの言うとおり
  • 以下のとおり
  • ここに書かれているとおり

 
漢字表記

  • 何通りにも
  • 一通り
  • 2通りの方法
欲しい

ひらがな推奨 (動詞の後に付く補助的用法)

  • 見てほしい
  • 読んでほしい
  • やめてほしい

 
「甘いものが欲しい」「あなたが欲しい」のような場合は漢字表記。

添削のご依頼、お待ちしております。