- 鬼添削の申し込みを迷っている人
- どんな点を指摘されるのか知りたい人
- 伝わる記事が書けるようになりたい人
もくじ
難読漢字や難しい言葉・表現を避ける
- どんな読者さんを想定して書いた記事なのか
- どんな読者さんの悩みを解決する記事なのか
- どんな読者さんにリピーターになってほしいのか
などによって使い分ける必要はあるものの、総じて「やさしい言葉で伝える」ようにするのがおすすめです。
例えば・・・
やや難しい | やさしい |
衝動買い | つい買ってしまう 思わずポチる |
せざるを得ない | するしかない 避けられない 断れない |
躊躇する | 迷う あれこれ悩む 踏み切れない |
なりかねない | なってしまうかもしれない なる心配がある |
容赦なく | 手かげんせず 遠慮なく |
なお、▲この表の左側の言葉と右側の言葉はぴったりイコールではありません。
読者層や記事属性、前後の文などに合わせて言葉を選ぶ必要があります。
場合によっては注釈(簡単な説明)を。読者はその言葉を調べるために離脱してしまうかもしれませんから。
▼こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
同時に使わない
よろしければ/ぜひ
よろしければ、ぜひ読んでみてください。
「よろしければ」と「ぜひ」は押しの強さが違うため、同時に使われていると違和感が。
どっちなのさ。

ねね
▼「よろしければ」はソフトにお勧めする感じ。
▼「ぜひ」は言葉の意味そのまま。絶対。是が非でも。激推し。猛プッシュ。
例えば内部リンクを貼る場合。
おすすめしようとしている記事は、誰かの役に立ちたいと考えてお書きになったものでしょう?
そんなときは、「よろしければ読んでみて」ではなく、「ぜひ読んでみて」を使うべきだと私は思うのです。
だけ(しか)/すぎない
だけにすぎない
にしか すぎない

ことり
こちらもひらがな表記をおすすめしています。
たび(度)/ごと(毎)
〇〇するたび ごとに
「たび(度)」と「ごと(毎)」は同じ意味です。

ことり
なお、どちらもひらがな表記をおすすめしています。
試す/みる
「試す」は「~してみる」の意味。よって、「試す」に「みる」は不要です。
新商品を試して みる

ことり
「挑戦してみる」「チャレンジしてみる」も同じです。
ぜひ試して みてください。
出始める(出る+始める)/来る
出始めて きて います。
▲これは何かで見かけて違和感を持った表現です。
では、▼こちらはどうでしょう?
出て き 始めて います。

ことり
どちらも何だかクドいですね・・・。
「出始める」は2つの動詞「出る」「始める」を組み合わせた複合語。
補助動詞「きて(くる)」は必要ないので、▼このように修正します。
例えば「旬の食材が出始めた」のであれば▼こんなふうに表現してもよいでしょう。
約(およそ)/程度(くらい・ほど)
「約(およそ)」と「程度(くらい・ほど)」は同義。いずれか一方でOKです。
約80%程度
よく/がち
「~がち」には「よく」の意味が含まれるため、不要です。
よくやりがちな間違い
よくありがちなデザイン
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誤字・脱字・衍字(えんじ)に注意する
「衍字」は「脱字」の反対で、本来は不要な文字のこと。
▼この例文では「の」「す」が衍字です。
今日は一日中ブログ記事ののリライトをしていますした。

ことり
誤字・脱字については説明不要ですね?
自分で書いた文章の誤字・脱字・衍字というのは見つかりにくいもの。
以下のような対策を。
- デバイスを変えて読む
- 日を変えて読む
- 印刷して読む
- 家族に読んでみてもらう
- 声に出して読む
ちなみに、私たち校正者は、紙ベースの原稿を1文字ずつつぶしながらチェックします。
※ 一般的な校正の方法です。異なる方法で校正をされる方や会社もあるかもしれません。
文を短く切る
一文が長い例としてご紹介するのは、宮沢賢治さんの『ポラーノの広場』の一節。
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
引用:宮沢賢治『ポラーノの広場』- 青空文庫
▲この一文は92文字あります。
長っ!!

ねね
ブログの文章では、一文:40文字以内を目標に。スマホで見たとき2行半~3行に収まるよう心がけたいですね。
では、先ほどの一文を例に取って実践してみますよ。

ことり
ひとさまの執筆なさった文章ですから、意味を変えないよう気を配ります。
「(わずか)でしたが、」を「(わずか)でした。しかし、」に置き換え、2つに切ってみました。
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。(41文字)
しかし、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。(54文字)
2つ目の文がまだ長いので、さらに分けてみます。
【文節1】
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。(41文字)
【文節2】
しかし、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでした。(30文字)
【文節3】
だから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。(26文字)

ことり
【文節1】は41文字ですが、大目に見てください。
どうも【文節2】の「しかし」(逆接の接続詞)に違和感があります。
この違和感は、文節2の内容が文節1の内容を打ち消していないために起こります。
【文節1】と【文節2】を書き出して並べてみると明白。
文節1 | 文節2 |
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。 | 受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでした。 |

ことり
2つの文の内容は全く関係ないことがわかりますね。
「しかし」(逆接)は次の例文のように後者(文節2)が前者(文節1)を打ち消す関係でなければ使えません。
よって、先ほどの例文2▼では、【文節1】と【文節2】を接続詞「しかし」でつなぐのはNG。
【文節1】
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。
【文節2】しかし、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでした。
【文節3】
だから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
そんなときはどうする?

ねね

ことり
文の順番を入れ替えてみよう。
【文節1】
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。
【文節3】
しかし、だから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
【文節2】
受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから。
※ 接続詞「だから」は不適切なため、削除しました。
先ほどと同じように書き出して対比させてみます。
文節1 | 文節3 |
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。 | わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。 |

ことり
どうでしょう?
「俸給もほんのわずかでした。」
しかし
「愉快にはたらきました。」
安月給でも仕事は楽しかったんだね。

ねね

ことり
キレイにつながりましたね。
「事(事実)」⇒「次第(理由)」の順に沿って述べられており、スッキリわかりやすい文章になっていると思います。

ことり
では次に読点(とうてん)の位置を見直します。
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読点の位置に気を配る
再度、原文▼を見てみます。
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
引用:宮沢賢治『ポラーノの広場』- 青空文庫
▼こちらは一文を短く切り、文節を入れ替えたもの。
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから。
読点(、)の位置が少し気になりますね。

ことり
気持ちよく読める位置に変えてみます。
追加する読点を 、削除する読点を で示します。
十八等官でしたから、役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き好きなことでしたから。
上記の修正を反映させたものが▼こちら。
十八等官でしたから、役所のなかでもずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き好きなことでしたから。
修正前の文と読み比べてみてください。どうお感じになったでしょうか。

ことり
次は字使いと送り仮名に注目してみます。
※ 字使い:ここでは漢字とひらがな/カタカナの使い分けを指します。
漢字とひらがなを使い分ける
十八等官でしたから、役所のなかでもずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き好きなことでしたから。
▼こちらが修正後。
十八等官でしたから、役所の中でもずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快に働きました。
受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き好きなことでしたから。
漢字を「ひらく」=ひらがなで表記するほうがよい場合もありますし、漢字を使ったほうが読みやすくなる場合もあります。

ことり
オウンドメディア=個人ブログの字使いに正解はありません。
ブログの雰囲気や、対象とする読者の層、また漢字の多少や前後の文章などによって、それぞれ最適解が異なります。
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送り仮名に気を配る
十八等官でしたから、役所の中でもずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快に働きました。
受持ちが標本の採集や整理で、生れ付き好きなことでしたから。
▼こちらが修正後。
十八等官でしたから、役所の中でもずうっと下の方でしたし、俸給もほんのわずかでした。
しかし、わたくしは毎日ずいぶん愉快に働きました。
受け持ちが標本の採集や整理で、生まれつき好きなことでしたから。
※ この例文は1934年(昭和9年)に発表された作品なので、現在とはかなづかい(送り仮名)が違っています。
▼現代っぽい言い回しに変えた最終形。
私は十八等の下級官僚でしたので、安月給でした。
しかし、幼いころから好きだった標本の採集や整理を担当させていただいたので、仕事はとても楽しく、充実していました。
「生まれつき標本の採集や整理が好き」な人はおそらくいないと思われるので(笑)、ちょこっと修正しています。
さて、リライト実践はここまで。
記事はもう少し続くよ。

ねね
箇条書きに統一感を持たせる
この記事の目次▼を「箇条書き」の例として取り上げてみます。
- 難読漢字や難しい言葉・表現を避ける
- 同時に使わない
- 誤字・脱字・衍字(えんじ)に注意する
- 文を短く切る
- 読点の位置に気を配る
- 漢字とひらがなを使い分ける
- 送り仮名に気を配る
- 箇条書きに統一感を持たせる
- 吹き出しを効果的に使う
※最後の項『ふろく』を除いています。
語尾を動詞で統一しました。「~とよい」「~のがおすすめ」「~べき」の形で表現したかったからです。
割とよく見るのが▼こんな感じの箇条書き。
- 難読漢字や難しい言葉・表現を避ける
- 同時に使わない
- 誤字・脱字・衍字(えんじ)に注意
- 一文を短く
- 読点の位置に気を配る
- 漢字とひらがなの使い分け
- 送り仮名に気を配る
- 箇条書きに統一感を持たせる
- 吹き出しの上手な使い方

ことり
まとまりがない・・・と感じませんか?
言われないと気づかなかったわ。

でも、なるほど、言われてみれば。

この2人くらいの認識でいいかな、とは思います。
実際問題、美しく整った文章でなくても、言いたいことはちゃんと伝わりますから。
ただ、こういった細かい点にも気を配ることができるようになれば、読みやすさ・伝わりやすさは格段にアップすること間違いなしです。
目次も、本文中の箇条書きも、読みやすさ・伝わりやすさが重要であるという点では同じように考えてよいでしょう。
また、モバイルファーストの観点から、箇条書きのひとつひとつの項目はできるだけ短くまとめることも大切です。
パソコンで記事を執筆するから、忘れられがちなんだよね。

ねね

ことり
そうなの。だからこそ、そういった点で差をつけたいですね。
※ なお、目次の場合は、SEO の観点から必要な情報を過不足なく含める必要があるため、結果として長くなる場合も多いです。
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ふろく:よく聞くが実は誤用
目にしたものを、思い出したタイミングで追加していきます。
誤 用 | 正しくは |
既成観念 | 既成概念 |
固定概念 | 固定観念 |
難易度が高い/低い | 難度が高い/低い |
必要性がある/ない | 必要がある/ない |
ソフト誤用
「ソフト誤用」とは何ぞ?

ねね
「誤用」と断じて斬り捨てるのは少し乱暴かな、と思える言葉。勝手にこう呼んでます。

ことり
ただし、鬼添削をお申し込みいただいた場合はバッサバッサ斬ります。
敷居が高い
「敷居が高い」というのは本来、「相手に対して過去に何か失礼を働いてしまったため、顔を合わせづらい」心理状態を表します。
「難しそうで何となく敬遠してしまう」意味でよく使われますが、これは誤用です。

ことり
あ、いや、ソフト誤用です。
そのうち辞書にも「本来の意味は~~だが、近年は~~という意味で使われる」として掲載されることでしょう・・・。
その勢力には屈したくないな。

ねね
割愛する
よく見るのは▼こんな文章。
まずはプラグイン〇〇をインストール&有効化します。
※ インストール&有効化の方法は割愛します。
「割愛」は仏教用語で、「愛着を断ち切る」という意味。
本来、「(ただ)省略する」場合には使わないのです。